午後5時チャイムと小学校
365日毎日鳴り響く午後5時のチャイム。散歩途中にふと耳に入ってきて思う、本当にいつも鳴ってるの?不思議だ。毎日毎日休むことなく街中に鳴り響いているはずなのに、建物の壁やイヤフォンから流れる音楽に阻まれ、全く耳に届いていないなんて。
振り返れば、あの平凡なメロディーは外遊びしていた小学生にとって、しっかりと帰宅の合図だった。大人になったからなのか、スマホがあるからなのか、あのチャイムが教えてくれる「はい、午後5時だよ」というお知らせの持つ時間伝達としての価値はほぼなくなった。でも懐かしいメロディを聞くことで一瞬だけ意識が飛んでいく体験は、それだけで価値がある気がする。あのメロディを変えてほしくない一方で、今どきな音にたま〜に変えてくれるとちょっと楽しい。
映画館とNetflix
蔦屋で面白そうな映画を何本か発見。毎回来るたびに感じるが、陳列棚に並んだオススメ映画を見るのを遥かに上回るスピードで新作が並べられていっている。無限とも感じられる数のコンテンツが家やネットで楽しめる時代に、なぜ映画館が必要なのか、改めて考えてしまった。
個人的には家でのウェブ映画視聴に関しては下記2つの理由でかなりハードルが高い。
1.無限コンテンツリストを並べられて、気になるリストは増えるも実際に見るにまで至らない。強い決断力が以前より必要になっている。
2.2時間が長い。薄く浅いコンテンツでも15分やそれ以下で完結するコンテンツへの誘惑に負ける。映画にかける2時間という長さが、黙って1つのコンテンツにかけられる時間ではなくなってきている。特に自分の場合はテレビの大画面とNetflixが連携されておらず、iPhoneで他のアプリとの誘惑戦争の中で視聴する環境なのでより厳しい。
こうした理由を見ると、1は映画館で見る映画は期間限定、新作というきっかけが明確、注目度もPR度合いも高いので決断がしやすいという点でクリアしている。また2に関しても、映画館という臨場感の感じられる没頭空間の中での2時間は他の誘惑が完全に遮断されるのでクリアしている。
だから個人的には映画館は間違いなく必要で、事実2021年の途中経過でもを、Netflixやアマプラで見た映画は合計でも2〜3作品で、映画館で見た映画は10作品もある。
一方で自分は映画館というか、長編の動画に比較的愛着がある方だとも認識している。これからの世代は特にお金を払って没頭空間に入りたいかというと、他のアプリや作品と平行して楽しむことがデフォルトになっていき映画館というスマホを使えない空間にわざわざ行きたくなくなるのだろうと考えると少し心寂しい。
またウェブ視聴が苦手というのを改めて振り返ると、逆を言えば映画館というハコが消えたらと考えると、映画が好きな自分でもほぼ映画を見なくなるのだと思う。この映画業界 vs VODの抗争は、映画館で見られていた時間がネットにシフトではなく、映画を見る人・時間のトータルが縮小していく未来に繋がっているのだと、どうしても悲観的にとらえてしまう。