下北沢トリウッドで「街の上で」を観る。
ビルの2階にある映画館はいかにも下北沢の映画館という印象で、身近に映画を見れる場を作りたいというアットホームな空間でとても居心地が良かった〜
この映画はコメディーチックな軽いテンポで下北沢という街で実在していそうなドロっとした人間関係が描かれている。数多い登場人物のストーリーがテンポよく繋がっていく最後は会場中で笑い声が響く程おかしかった笑
心に引っかかったのは、最後に美大生のフィルムが上映されるシーン
「頑張ったのになんでカットしちゃったんですか?」
このシーンを最初は斜め上から、少しスレた感じで見ていた。社会人やプロの視点から見れば、結果がすべてであり、主人公が努力していたかというのは何の意味も持たない。ましてや面白いものを追求している芸大生が撮った映画に、いくら頑張っていても下手くそが登場するのは許されないと思う。
それでもこのシーンが頭に残ったのは、多分「結果がすべて」という言葉は仕事をすればするほど無機質で残酷な現実を突きつける言葉のように聞こえるけど、その言葉の裏にはあなたの汗と涙を私は覚えているよ、という優しさが隠れていてほしいと思ったからなのかな。
下北沢という街のたった一部が、自分にとっての下北沢だった。下北沢の南側が自分にとっては大人が行く場所で、学生の頃はマクドナルドとゲーセンとABCマートがある坂を下る道がメインだったし、逆にこの映画のテーマに鳴っている北側のサブカル系の方々がいく古着屋や劇場とかもあまりいかなかったな〜と少し寂しい。
帰り道で映画館の階段を降りると、CHICAGOのネオンサインがジジジと音をたてている。商店街に新しくできた古着屋をながめ、その新旧のギャップに笑いながら帰路につく。